鳥は、ゴムボートの上から狙ったり、岸に上陸したりしてねらう。調査に必要な鳥の種類と数をあらかじめ役所に届けてあり、所定数に達するまでひたすら撃ってはサンプリングしていく。どの鳥も、猫くらいの大きさと重さがあった。胸の部分の羽を少しむしって、皮膚と胸骨をハサミで切り開き、すぐに血を採る。体は丸ごとビニール袋に入れてすぐに船に持ち帰った。
魚は、船上から取った。サオもエサもつけないで、ヒモを垂らしてとる。船にレーザー機能のようなものがついていて、海底に生き物がいるとわかるようになっていて、魚の群れと見たら、ヒモを垂らした。
鳥も魚も、体を開けてみると寄生虫がいることが多かった。(寄生虫のサンプルはとらなかったが)
サンプルを取り終わった鳥や魚は、食べれるところは食べて、食べられない部分は海に捨てた。残りの体は、なにかに食べられたり、分解されたりして自然に戻っていく。
ゴミのルールは、「食べれるものは海に捨ててもよい」というルールだった。例えば、紙は捨ててはいけないけど、ケチャップは捨ててもよい。科学的な根拠はわからないが、そういうルールだった。
子持ちのマスが釣れた。ノルウェーではイクラを塩漬けで、日本ではしょうゆ漬けで食べる。どちらの味付けにするかで、軽い仲間割れが起こった。結局二つのボールに分けて、一つを塩で、もう一つをしょうゆで味付けし、お互いそれぞれの方式が最高だと確認しながら食べた。