この日は早起きして、バスでふたたび首都ワガドゥグへ。
アフリカ=サバンナ+シマウマ+燃えるような夕焼け、という典型的なイメージ、あれはブルキナファソじゃないんだなあーとこの写真を撮った時ふと思ったのですが、今見返すと、やっぱり空は毎日きれいでした。
ブルキナファソ国立美術館(Le Musée National du Burkina Faso)に行きました。
ちょっと広大すぎる敷地が印象的だったのですが、今しらべたら29ヘクタールもあるそうです。東京ドームが4,7ヘクタールらしいのでかなり大きい。
必然的に、門から最初のパヴィヨンまでかなり遠い。今回見学可能だったのは、コットン館、マスク館、塑造館の三館。中でも、ブルキナ全国から集められたお面が展示されているマスク館は、かなりおもしろかった。どれもだいたい19世紀〜20世紀まで実際に伝統行事や祭壇に実際に使われていたものらしい。
マスク館の展示は、大きく4種類にわかれている。
①雨乞いのマスク
農業関係で雨がちゃんと降るように、お祈りするときに使った
②願い事のマスク
家の中などに飾られていて、特別な願い事があるときに頼むマスク。願い事を言うときは、「もしもそれがかなったら、何をお供えするか」を約束する。かなったときは、数カ月以内にそれを持ってお礼に行かないと、バチとして、かなったものがおじゃんになるという言い伝えらしい。シンプルかつ即物的。
③教育のマスク
個人的に一番興味深かったのがこの教育のマスク。昔、村々では子供から青年を教育するために(だいたい7歳から21歳くらい)、学校のような寺子屋のようなものがあったらしい。そこで使われたマスク。自然界の動物の習性から、社会生活に必要な知恵や規律を学んだという。
例えばニワトリのマスクが教えるのは、「統率力」。ニワトリの世界は、一夫多妻制。メンドリどうしがけんかしたり、力関係が不平等になったりしないように、雄鶏にそなわっている「統率力」を観察しながら、子供に教えた。
カメレオンは、観察力、客観性、寄り道しないでまっすぐ目標をめざすこと、お年寄りとの関わりを大切にすること、郷に入ったら郷に従うこと、などを教える。
近代の学校教育は「算数」「理科」といった教科にわかれているけど、それが「ニワトリの授業」「カメレオンの授業」というふうだったのかなあと想像すると、ちょっとおもしろい。
④お祭りのマスク
だがマスクをかぶった人が外に出るのは夜中だけで、そのあいだ人々は家でおとなしくしていないといけないという決まり。灯りもないので、そのマスクは誰も見れない。もしも祭り中に家でおとなしくしてない場合は、マスクがわらぶきの屋根を奪いにくる。なまはげ的恐怖マスク。
袖が床につくほど長くて、魔女を叩く仕様になっている。
この①から④の分類のしかた自体もおもしろいなと思ったし、マスクの使い方を聞いて、近代化する前のブルキナの人たちが、どんな規律で暮らしていたのか垣間見える気がした。そんな精神性が、近代化した今でも脈々と息づいているのが、ちょっとした拍子に見える気がすることもあった。
学芸員の方が、展示品に本当に詳しくて、説明がやたらおもしろいし、細かく言うと他にも「納税をうながすマスク」とか、とにかくおもしろいので
ブルキナファソ国立美術館は本当にオススメ。入館料は1000FCA。撮影禁止の張り紙にもかかわらず、同じ学芸員さんからOKがでました。
写真といえば、
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第一弾はジニアレです。どうぞよろしくお願いします。